個人事業主となった主婦の扶養要件はどうなる?
公開日:2018年05月23日
最終更新日:2018年05月23日
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ここ近年、主婦でありながら個人事業主として活躍できる機会が増えました。「個人事業主となって挑戦してみたいことがあるけど、そうなった場合は夫の扶養から外れなくてはならないのかしら」と気になって、一歩を踏み出せないでいる方も多いのでは。
扶養に入っていても個人事業主になるのは可能です。ただ、税金や社会保険、夫の給与手当などの影響や確認の必要があります。詳しくみていきましょう。
目次
税金の扶養要件
所得税
個人事業主の所得は、収入から必要経費を引いたものです。所得が38万円を超えると扶養の範囲も超えます。
あらかじめ、税務署で手続きが必要となりますが、青色申告で一定の条件を満たすと、65万円控除が受けられます。
収入 - 必要経費 - 65万円 < 38万円
38万円を超えなければ、不要の範囲内。
もし必要経費が0円であれば、パート主婦と同じ収入103万円までが扶養の範囲内となります。
見込まれる収入が少なくても、事業を始めるのであれば早めに申請しておくことをおすすめします。
住民税
住民税は住んでいる自治体によって課税ラインが異なります。所得35万円・33万円・28万円など。たとえ所得が38万円以下で所得税が0円であっても、住民税はかかる可能性があるので必ず確認しましょう。
社会保険の扶養要件
パート主婦でいうところの130万円の壁となります。
健康保険
国民健康保険・全国健康保険協会・健康保険組合・共済組合など、健康保険によって扱いがことなります。夫の勤務先の健康保険に確認しましょう。
個人事業主であっても、年収130万円までOK、所得130万円までOK、個人事業主の時点
でNGとさまざまなので、注意が必要です。
国民年金
年収が130万円以内であれば第3号被保険者で扶養の範囲内です。国民年金の被扶養者に関しては、収入から必要経費を除くことができます。
その他で影響すること
夫の税金
妻の所得38万円以下であれば控除対象配偶者となり、配偶者控除を受けられます。38万円以上76万円未満は配偶者特別控除を受けられますが、所得に応じて段階的に控除額が減ります。
扶養の範囲を超えると、夫の税金も高くなる仕組みです。
家族手当
夫の勤務先によっては家族手当が支給されるところもあります。支給要件は勤務先によって異なりますが、所得税と同じ所得38万円が多いようです。
確定申告について
個人事業主は確定申告が必要です。確定申告はそれほど難しいものではないので、税金がかからない場合でも、今後のためにまずは練習と思って申告しましょう。
社会保険については、夫の勤務先から現況調査が行われることがあります。確定申告書の写しを控えておくようにしましょう。
必要経費は賢く
個人事業主にとって、税金や社会保険の支出は大きな負担です。パート主婦は年収130万円を超えた場合、150万円以上にならないと損をすると言われています。個人事業主は180万円以上必要と言われることも。パート主婦は社会保険料を会社が半分負担してくれますが、個人事業主は全額自分で支払うからでしょう。
130万円の微妙なラインであれば、社会保険の扶養範囲に収まるようにしておくのが無難です。個人事業主の所得は収入から必要経費を引くことができます。事業のために使ったレシートや領収書はきちんと保管しておきましょう。
まとめ:不明なことは必ず確認
不明なことはそのままにせず、手間が少々かかっても税務署や健康保険組合、社会保険事務所に問い合わせましょう。不明な点をクリアにすることで事業に集中できます。