【忘れないように】個人事業開始の時の届出の届け先と届出書式一式
公開日:2018年01月16日
最終更新日:2018年04月09日
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個人事業の開廃業等届出書
国税を管轄する税務署に、個人事業を始めたことを知らせる届です。起業した日から1ヶ月以内に納税地の所轄税務署に提出する義務があります。店舗の変更、休業、廃業の時にも「個人事業の開廃業等届出書」の届出をします。
届出書式:個人事業の開廃業等届出書(国税庁)
個人事業開始申告書
「個人事業の開廃業等届出書」と似た書類に、「個人事業開始申告書」があります。違いは、「個人事業の開廃業等届出書」は、国税(所得税)に関する書類ですが、「個人事業開始申告書」は、地方税(事業税・住民税)に関する書類です。
区分 | 届出先 | |
---|---|---|
国税 | 法人税、消費税、源泉徴収税 | 税務署 |
地方税 | 都道府県民税、事業税 | 都道府県税事務所 |
市町村民税 | 市区町村役場 |
事業税は、所得(売上-経費)が290万円を超えると発生しますが、確定申告をすると自動的に県税事務所や市区町村役場に通知が行く仕組みになっています。そのため、起業時に届け出をしなくても、問題はありません。
起業時に「個人事業開始申告書」を出す場合、届出先は都道府県税事務所と市区町村役場の2か所になります。書類の名称や書式は、各自治体によって異なるので、確認の上入手しましょう。
所得税の青色申告承認申請書
確定申告を、青色申告で行う場合に提出します。1月15日までに開業した場合は、その年の3月15日まで、それ以降に開業した場合は、開業日から2ヶ月以内に提出します。
青色申告にはさまざまな控除があり、白色申告よりも節税できます。しかし白色申告では義務化されていない、複式簿記による帳簿の記帳が必要になります。
青色申告を申請しない場合は、自動的に白色申告となります。
届出書式:所得税の青色申告承認申請書(国税庁)
青色事業専従者給与に関する届出書
青色申告者が家族を事業専従者として雇用する場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出します。届出をすることで、事業専従者に対して支払った給与を必要経費にすることができ、節税になります。
届出の期限は、1月15日までに開業した場合、その年の3月15日まで、それ以降は、開業日から2ヶ月以内に提出します。
なお、家族への給与を必要経費とするためには、次の条件を満たしていることが必要です。
- 事業の専従者であること(サラリーマンとの兼業は不可)
- 事業主と同居の家族、親族で、生計が同一であること
- 事業に年間6ヵ月以上従事していること
- 確定申告する者の配偶者控除、扶養控除の対象になっていないこと
(注意事項)
事業専従者の給与の金額より、所得控除の金額のほうが高くなる場合は、節税対策からすると逆効果となるので注意しましょう。
また、給与を支払うようになると、事業主は「源泉徴収義務者」となるので、税務署に「給与支払事務所等の開設届出書」を提出することになります。
従業員の給与から毎月所得税を源泉徴収し、翌月10日までに納付書を添えて税務署に納付します。
しかし、小規模事業者にとって毎月納付するのはかなりの負担なので、従業員が9名以下の小規模事業者に限り、年2回にまとめて納付できる特例措置が設けられています。この特例措置を受けるためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出します。
このように、家族を含め従業員を雇用すると節税になる一方、源泉徴収や社会保険の加入義務などの事務処理が増えますので、メリットとデメリットをよく理解した上で雇用しましょう。
届出書式:青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書(国税庁)
給与支払事務所等の開設届出書
家族を青色事業専従者にして給与を支払う、また従業員を雇って給与を支払う場合、「給与支払い事務所等の開設届出書」を提出します。
提出期限は、給与支払事務所になってから1ヶ月以内。届出をすると、税務署から必要書類が一式送られてきます。なお、開業時だけでなく、移転・廃業の場合にも同じく届け出が必要です。
届出書式:給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(国税庁)
源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書
給与支払事務所になると、事業主は「源泉徴収義務者」となり、給与から所得税を源泉徴収して、翌月10日までに納付書を添えて税務署に納付します。
給与の支払人員が10人未満の事業所は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出すると、 7月10日と1月10日の年2回の納付になります。
届出書式:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(国税庁)
所得税のたな卸資産の評価方法および減価償却資産の償却方法の届出書
資産の減価償却を、定額法ではなくて定率法にしたい場合に提出します。一般的に定率法の方が節税効果が高いと言われています。その年の確定申告時までに、有利な方を選びましょう。届出なければ自動的に、たな卸資産の評価方法は最終仕入原価法、減価償却資産の償却方法は定額法となります。
届出書式:所得税のたな卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書(国税庁)