クレジットカード申込時の重要審査基準「3C」とは?
公開日:2018年05月17日
最終更新日:2018年05月17日
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クレジットカードの申し込みをすると、発行会社で審査をして発行の可否が決定されます。一般的に発行会社独自の評価項目を設け、それぞれの項目に対する評価を指数化して、合計ポイントなどで審査結果を出す仕組みです。そのため、各社の基準によって審査の難易度も変わってきます。
申込の審査の中で重視されるのが「3C」。「Character(キャラクター)」「Capacity(キャパシティ)」「Capital(キャピタル)」の頭文字を指します。それぞれどのような審査と基準があるのか見ていきましょう。
目次
Character(キャラクター)は「性格」や「人格」の審査
3Cのひとつ「キャラクター」は、申込者の「性格面」を主な審査対象としています。例えば、支払い滞納や延滞、過去に自己破産の有無といった情報の審査です。滞納や延滞に対して審査基準が厳しくなるほど、発行難易度は高くなります。
発行会社はクレジットカードの申込があると、審査のためにクレジットヒストリー(個人の利用履歴)を個人信用情報機関に照会する流れです。
指定信用情報機関は「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」・「日本信用情報機構(JICC)」・「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」とあり、それぞれ問い合わせると申込者の情報を得られます。
これらの機関は、経済産業省からショッピング利用に適用される割賦販売法に基づく指定と、内閣総理大臣からキャッシング利用に適用される貸金業法に基づく指定を受けています。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
全国個人信用情報センター(KSC)は、一般社団法人「全国銀行協会(JBA)」が設置と運営をしています。個人のローンやクレジットカード、当座取引、保証・連帯保証人情報などに関する情報を登録。本人を特定するための「氏名」「生年月日」「性別」「住所」「電話番号」「勤務先」や、登録住所に送った郵便がとどかなかったことがあるかなどの情報も登録されています。
取引情報として、クレジットカードやローンの借入金額や借入日、最終返済日や延滞・強制回収手続き、強制解除が行われた有無も照会可能です。
また、手形や小切手の不渡りに関する情報や取引停止処分の情報についても登録。不渡り発生に関しては6カ月、取引停止処分については最大5年間情報が保管されます。国が発表する官報に掲載される破産手続き決定の情報も最大10年間記録されます。
日本信用情報機構(JICC)
日本信用情報機構(JICC)はクレジットカードやローンの契約内容や、返済・支払い情報、取引記録などの情報が個人ベースで保管されています。
本人を特定するための「氏名」「生年月日」「性別」「住所」「勤務先情報」のほか、契約内容に関する情報「登録日」「契約の種類」「契約日」「貸付日」「契約金額」「貸付金額」「保証額」なども登録されます。
また、返済状況に関する情報「入金日」「入金予定日」「残高金額」「完済日」「延滞」などの用法が纏められています。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
シー・アイ・シー(CIC)は、個人のクレジットカードやローンの利用履歴情報を主に保管しています。本人を特定するための「氏名」「生年月日」「性別」「住所」「電話番号」「勤務先」「金部先電話番号」「公的資料番号」などのほか、過去に契約したクレジットカード「契約日」「英訳の種類」「商品名」「支払回数」「契約額」なども保管されています。
審査や発行難易度でポイントになるのは「支払い状況」。保管されている「残債額」「請求額」「入金日」「入金履歴」「延滞の有無と発生日」「破産の有無と発生日」「延滞解消日」などのほか、分割払いの残り金額や年間請求予定額などもまとめられています。
そして、シー・アイ・シーでは、これらの情報が書く契約の終了後5年間保管される決まりです。
KSC・JICC・CICは、本人から開示請求があれば、登録されている情報の開示に応じています。必要書類を送付、手数料を払えば、クレジットカードの申込審査の際、クレジットカードの発行会社が目を通す情報を事前に確認することも可能です。
申込書の書面も審査対象に
キャラクターの審査において、申込書の誤字脱字なども判断基準のひとつになるといわれています。申込者の「丁寧さ」「几帳面さ」をそこで確認する点は、エントリーシートや履歴書と同様です。
また、申告した借り入れ状況と信用情報機関開示の情報と大きな差異があった場合、申込者本人の信頼性を著しく低下するのは免れません。勤続年数や年収も正しく申告をしましょう。
現在ではインターネットで申し込みができるようになりましたが、店頭で記入して申し込むケースも多くあります。クレジットカードの審査とはいえ、審査には人が関わるので、誠意をもって手続きをすることが大切です。
Capacity(キャパシティ)は「返済力」や「資力」の審査
つぎに「キャパシティ」は、クレジットカードを利用した金額をきちんと返済できるか、返済する能力があるかの審査です。各社審査をクリアする上で、とても重要視されるポイントになります。
特に「職業」「勤務先」「雇用形態」「勤続年数」「年収」「家族構成」は重視されます。
高評価のケース
弁護士事務所に10年勤続の弁護士(36歳男性)。大学を卒業後、転職はなく、勤務する弁護士事務所は都内で5本の指に入る事務所。高年収、持ち家あり、家族構成は配偶者・息子・娘4人家族。
→転職せず勤続年数も長く、高年収。大手事務所のため安定収入が見込め、持ち家で不動産保有。結婚して家族がいるので、仕事を辞めたり転職したりする可能性が低いため。
安定的な収入という点では、弁護士や司法書士、税理士や会計士などの士業、国家公務員や地方公務員、上場企業の会社員等も評価が高いので、発行難易度の高い審査も通りやすいでしょう。
高評価に結び付きにくいケース
同じく36歳男性のイラストレーター、個人事業主。作品に対する評価が高いので、年収は同世代のサラリーマンより高いが、安定的な収入は将来見込める可能性は低い。イラストレーターになるまでに3回転職。不動産の所有はなく、賃貸マンション在住。未婚。
→現時点では高年収だが、収入の安定の面では懸念があり、未婚のため仕事を変えやすい。不動産などの資産を所有していないのも高評価に結び付きにくい理由のひとつ。
個人事業主のほか、アルバイト・パートや日雇い労働などの非正規雇用の人は、審査において高く評価されにくい傾向にあります。自由業と呼ばれる演奏家や画家などの芸術家も同様です。
Capital(キャピタル)は「資産」の審査
最後、「キャピタル」は、「資産」のことを指します。発行会社が最もおそれるのが「貸し倒れ」。そのため、審査において、申込者の資産も評価のポイントとなります。
持ち家がある場合は、建物と土地の資産を保有していることになりますが、車の場合は資産に含まれても、申込時に確認されることは少ないです。
在籍確認は行うのか
申込書に勤務先の欄がありますが、そこに記入された会社に本人が在籍しているのか電話で確認することを「在籍確認」といいます。この確認を行うケースと行わないケースがあります。
行うケース
同じ発行会社の別のカードを既に持っている場合、信用情報機関に登録されている勤務先と申込書が一致している場合。
行わないケース
申込書の勤務先が以前から持っているカードの申込時と異なっている場合
発行難易度の低いクレジットカード
消費者金融系のクレジットカードは審査の難易度が低いと言われています。一方、銀行系クレジットカードは難易度が高いといえるでしょう。