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手元に資金が少ない。起業を助ける会社設立直後に利用できる助成金・補助金

手元に資金が少ない。起業を助ける会社設立直後に利用できる助成金・補助金

公開日:2018年04月04日
最終更新日:2018年04月04日
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起業をしたいけれど、お金がない。資金の不安を抱えて起業に二の足を踏んでいませんか?起業する費用に開業資金、運転資金と、起業の際にはたくさんのお金、資金が必要になりますので、貯蓄は多ければ多いほど安心です。しかし、普段の生活をしながら、すぐに資金を用意することは難しいのが現実です。そのような場合、「助成金」や「補助金」を活用を検討してみることをおススメします。このページでは起業する際に利用できる助成金や補助金についてご紹介します。

結局助成金・補助金とは何か?

助成金や補助金は、国や地方自治体からもらえる返済不要の資金援助のことを差します。新創業融資制度をはじめとした「融資」は返済をしなければいけないのに対し、助成金や補助金は返済しなくて良いため、気軽に申請ができます。

助成金や補助金は、資金を支給して、国民を公的に助ける制度です。さまざまな控除より、ずっと直接的な推進政策です。助成金や補助金の最大の特徴は、「返済する必要がない」ことです。これをフル活用することによって、経営を安定させている企業も多いです。

助成金と補助金の違いについてですが、助成金と補助金には厳密な意味の違いは定められていないのですが、これまでの助成金と補助金から以下のような傾向になっています。

助成金

「社会的に困っている人をサポートしたり、従業員が働きやすい環境を整備したりする行為」に対して支給される公的資金で、比較的少額です。定められた条件を満たせば支給されやすい傾向で、基本的にいつでも申請できます。

補助金

「日本の経済活動を明るく前向きに進める行為」に対して支給される公的資金で、大きな金額になる場合もあります。審査が厳密であり、条件を満たしていても支給されないケースが多いです。また応募時期も限定されていることがほとんどです。

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助成金・補助金は主に4種類

数多くの助成金や補助金がありますが、主催している団体は主に4種類あります。サポートする目的やサポート対象となる事業や企業がそれぞれ違いますので、まずは団体別に助成金・補助金の特徴を紹介します。

経済産業省

日本経済や産業の発展を管轄しているのが経済産業省(経産省)です。小規模事業者や起業を考えている人を支援する役割を持つ中小企業庁も管轄となっています。経産省の補助金は、地域の活性化や中小企業の振興を目的としたものがほとんどになっています。創業期の企業や事業規模が小さい企業の成長を助ける目的の補助金が利用しやすいのが特徴です。また、昨今では地域にインバウンド旅行客を呼び込む事業や、省エネを促進する事業をしている企業に対して支給される補助金も用意されています。ちなみに、経産省が管轄しているのは補助金だけとなっており、助成金はありません。

厚生労働省

厚生労働省は、福祉や労働、雇用などを管轄している省庁です。職業能力向上のための補助金や雇用促進を目的とした助成金を用意されています。高齢者や障害者の雇用や第二新卒者を雇ったときに利用できるものなど、雇用に関する助成金が多いことが特徴です。会社設立時に限らず、従業員を雇う計画がある場合は、一通りチェックしておくことをおすすめします。

地方自治体

各市区町村の自治体が主催している補助金もあります。それぞれの地域の活性化を目的としていることから、趣向を凝らした地域ならではの内容のが豊富です。中には補助金に注力していない自治体もありますので、起業する際は注意してください。また、福祉系の補助金は充実しているものの、産業系は少ないといったところも少なくありません。一度は自分が登記した(する予定の)市区町村のホームページを確認しておいたほうが良いでしょう。

民間団体・企業

公益団体や民間企業などが、社会公益を目的として行っている助成金・補助金制度もあります。種類や条件、支給額はその団体によりさまざまです。

創業時に確実に抑えておきたい助成金・補助金4選

創業時に申請できるおもな助成金・補助金には以下の4つがあります。それぞれご紹介してまいります。

創業・事業承継補助金

創業・事業承継補助金は、既存技術の活用や新しいアイディアで、需要や雇用を生みだせる可能性がある事業に対して支給される補助金です。支給額が最高200万円と高額なので、いいアイデアをお持ち、という方はぜひチャレンジしてみることをおススメします。相談会や相談窓口が用意されるなど、公式サイトのわかりやすさもポイントです。

対象 新たに創業予定者
補助額 100万円~200万円
申込み方法 郵送、もしくは電子申請

参考:平成29年度 創業補助金

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、補助金の交付だけでなく販路を拡大する方法など、商工会議所の指導を受けられることも大きなメリットです。

対象 卸売業・小売業・サービス業・製造業などの小規模事業者
補助率・補助額 上限50万円以内で、補助対象となる経費の3分の2以内(複数の事業者が連携して取り組む共同事業の場合は100~500万円)
申込み方法 郵送による申請※事前に最寄りの商工会議所で「事業支援計画書」を作成・交付してもらう必要があります。

参考:小規模事業者持続化補助金 実施年度メニュー

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用の従業員を、自社内でキャリアアップさせようと考えたときに申請すべき助成金です。条件は「正社員への転換」だけではなく、「職業訓練を行う」「賃金規定を改定する」など、全部で8つのコースが用意されています(助成金の額はそれぞれ異なります)。創業時はアルバイトとして雇っていた人を社員化するなど、人材に関する変更を行う際はチェックしておきたい内容です。

対象 6ヵ月以上雇用実績のある契約社員、パート社員を正社員に登用し、さらに6ヵ月継続雇用した場合
支給額 該当者1人につき60万円
申込み方法 キャリアアップ計画を作成し、労働局またはハローワークに提出

参考:事業主の方のための雇用関係助成金 |厚生労働省

地域中小企業応援ファンド

地域中小企業応援ファンド【スタート・アップ応援型】は、新商品開発、販路開拓、設備投資など、さまざまな経費に対しての助成金を受け取れます。また、複数年度にわたったプロジェクトや企業規模が大きめの企業でも応募できるものがあるので、常にチェックしておくとよいでしょう。

対象 地域の特産品や観光資源を活用した事業など、地域コミュニティへの貢献度が高い新規事業開発を行う企業
支給額 各都道府県のファンドにより異なる
申込み方法 各都道府県のファンドに申請

参考:中小機構:経営力の強化:助成金

助成金・補助金を受けるときの注意すべきこと

返済義務が生じない助成金や補助金とはいえ、各主催団体に合わせて書類を整えるのはたいへんな時間と手間がかかります。必ず受け取れるというものではありません。助成金や補助金の申請から、実際に受け取るまでに注意したほうがいいポイントを紹介します。

メリットが大きいものは倍率も高くなりがち

返済義務がある融資に対して、返済しなくて良い助成金・補助金。さらに、募集の間口が広かったり支給額が高額だったりと、受ける側のメリットが大きい助成金・補助金はしばしば応募が殺到します。それだけ、補助金・助成金が世に浸透してきたと言えますが、例えば、2016年の「創業・第二創業促進補助金」では、1ヵ月弱の公募期間で2,866件の応募がありましたが、採択されたのはたったの136件。およそ4.7%の事業者しか助成金が得られなかったことになります。

提出書類の準備には時間と労力がかかることを理解する

事業計画書に収支計画、申請書類など、助成金や補助金の制度に応募するには、数多くの書類を用意しなければいけないケースがほとんどです。高い倍率を勝ち抜くためには、主催団体の目的をくみ取って「この事業には価値がある」と認識してもらえるようにアピールする内容であることが大切です。すでに創業している場合は、創業から現在までの各種帳簿が必要な場合もあります。

すべての書類を準備するためには、かなりの時間と労力がかかることは覚悟しておいたほうがいいでしょう。時には司法書士に書類作成の一部を依頼したり、相談をしたりする必要が生じて思わぬコストがかかるケースも考えられます。必ず受け取れるわけではありませんので、外部委託するにもバランスが必要と言えるでしょう。

複数受給ができない補助金・助成金も

税金が財源になっている政府系の助成金・補助金は、複数のものを受けられない可能性が高いです。しかしながら、応募については同時に複数行うことが可能です。また、申請書類も似た物が多いので、同時に作成していくつかのプロジェクトに応募し、採択されてから選ぶという考え方でも構いません。

自己資金はゼロでは×

これだけ助成金や補助金があれば「自己資金は貯めなくても良い」という考え方もあるでしょう。しかし、助成金や補助金はあくまでも「足りない分を補う」制度のため、事業を始める以上、ある程度の自己資金は用意しておく必要があります。特に補助金の場合、実際に使った経費を計算した上で受給額を申請→受給という流れですので、初めに資金がないと事業そのものが運営できなくなってしまいます。

ネット上での情報

ネット上でも補助金・助成金についての質問などがあふれています。それだけ注目されているテーマであることがわかります。

会社設立などをサポートしてくれるソフト・サービス

会社設立においてこれまでは一から調べてたり、専門家への相談を行ってからが大半でした。最近ではWEB上で会社設立をサポートしてくれるサービスが増えています。例えばfreee。こちらは会社設立時には公証役場や法務局、年金事務所などいくつかの場所へ書類を提出しなければなりません。どの書類をどこに提出か調べるだけでも大きなコストがかかるところを、書類の提出場所も地図で案内。どの書類をどこに提出すればよいのか何度も調べる手間はなくなります。

まとめ

創業期の資金が必要なタイミングで、事業資金の足しにできる助成金や補助金。しかも、返済が不要という点は、活用したいところですが、応募条件や申請書類が複雑なものがほとんどで、受給までにはかなりの時間と労力がかかります。それでも、資金不足のせいでビジネスチャンスを逃すことがないよう、ぜひ活用を検討してみてください。

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