個人事業主の消費税ってどうなるの?納付義務が免除される場合もあり!
公開日:2018年01月18日
最終更新日:2018年04月09日
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消費税は、商品やサービスの購入時に課される税金のことです。
消費者や取引先から商品等代金を請求する際には、消費税を追加して請求します。消費税を受け取った事業者は、その消費税から経費にかかった消費税を差し引いて納付します。本来であれば、消費税は事業者の売上や利益にかかわらず納付しますが、例外もあります。
消費税の納付義務が免除される要件
消費税は、基準期間の課税売上高が1000万円以下の場合、納付義務が免除されます。個人事業主の基準期間は、その年の前々年です。
分かりやすく表すと、この2点の要点になります。
- 個人事業主として起業してから2年以内
- 個人事業の課税売上高が1000万円以下
ただし、基準期間の課税売上高が1000万円であっても、その年の前年の1月1日から6月30日までの間に、課税売上高が1000万円を超えると、課税事業者となり、消費税の申告が必要になります。
免税事業者の消費税の扱い
事業の売上が1000万以下で消費税の免税事業者であっても、消費税を請求することに問題はありません。
納付税額の計算方法
消費税の計算方法には、一般課税と簡易課税の2種類があります。
簡易課税は、経費などの消費税については、みなし仕入率で算出して、求める方法です。
仕入や経費などにかかる消費税をいちいち計算しないで、受け取った消費税に一定の「みなし仕入率」をかけて計算した額を「仕入れや経費などの消費税」とするため、簡易課税と呼ばれています。
一般的に、一般課税よりも簡易課税のほうが簡単な上、消費税の負担が減るケースが多いようです。
ただし、簡易課税を選択するには、年間の課税売上高が5000万円以下の条件があります。また、事前に(前年までに)税務署に対して「消費税簡易課税制度選択届出書(国税庁)」を届出る必要があります。
例えば、2017年の事業年度から簡易課税に移行したい場合は、前年の2016年12月31日までに、管轄の税務署に対して「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出します。
ただし、一度簡易課税を選択すると、その後2年間は変更できないルールがあるので、しっかり検討してから選択しましょう。
また、簡易課税をやめる場合には、簡易課税をやめる前年の12月31日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書(国税庁)」を提出します。
簡易課税の計算方法
簡易課税を受けるには、条件があります。
- 年間の課税売上高が5,000万円以下
- 事前に税務署に対して「消費税簡易課税制度選択届出書(国税庁)」を提出
(提出期限は、適用を受けようとする課税期間の開始日前日まで)
消費税の納税額 = 売上にかかる消費税 -(売上にかかる消費税 × みなし仕入れ率)
みなし仕入率は、個人事業の種類ごとに次のように区分されます。
事業区分 | 該当する事業 | みなし仕入率 |
---|---|---|
第一種事業 | 卸売業 | 90% |
第二種事業 | 小売業 | 80% |
第三種事業 | 製造業、農業、林業、漁業、鉱業、建設業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業など | 70% |
第四種事業 | その他の事業(飲食店業など、第1~3種・第5~6種に当てはまらない事業) | 60% |
第五種事業 | 運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店業を除く) | 50% |
第六種事業 | 不動産業 | 40% |
簡易課税のシミュレーション
小売業で、売上が1500万だった場合の消費税を簡易課税で計算してみましょう。
消費税=売上にかかる消費税1500万×8%-経費等にかかる消費税(1500万×8%×80%)=120万-96万=24万
消費税の納付額は24万円になります。
消費税の納付方法
所得税と同様に、事業期間(1/1~12/31)の消費税額を計算し、翌年の3月末までに、消費税の確定申告と納付をします。
通常、所得税の確定申告と合わせて申告するのが一般的です。消費税の納税期限は、消費税の申告期限と同じ(3/31まで)です。
納付には以下の方法があります。
- 所轄の税務署(現金)
- 税金の取扱いがある金融機関(現金あるいは預貯金口座から振替)
- インターネット等を利用して電子納税する(e-Taxホームページ)
- クレジットカードによる納付(国税クレジットカードお支払サイト)
消費税納付の注意点
消費税は、国税と地方消費税に分かれます(国税庁)が、国税の納付額が48万円を超える場合には、消費税および地方消費税の中間申告と納付が必要となります。
中間申告と納税回数は、前年の消費税の納税額(国税部分)によって、年1回、3回、11回に分かれます。
詳細については、国税庁タックスアンサーで確認しましょう。